小田原城の天守を木造で復原することに取り組んでいます。(H)

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小田原城天守事始め ~木造天守への道~ 目次

当会の小田原城天守調査研究室の宮本啓による小田原城天守に関する連載コラムです。


第1回 はじめに

今回から数回にわけて、われらが誇る小田原城天守についての建築的な特徴を、少し専門的な話を交えながらご紹介していきたいと思います。

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第2回 天守の「型」について

前回は、本コラムの目的と現在の小田原城天守の復元について簡単におさらいをしてみました。今回からは天守の歴史的な成り立ちと現存する木造天守の構造的な特徴をみながら、宝永年間に再建された小田原城天守の実態に少しずつ迫っていきたいと思います。

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第3回 天守の「型」についてPart.2

前回は、「望楼型」と「層塔型」という天守の「型」の区別についてご説明しました。今回 はその「型」の変化・発展について、これまで建てられた天守を例にもう少し詳しくご紹介 していきたいと思います。

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第4回 宝永度再建の小田原城天守の史料について①

これまでの 3 回で簡単なおさらいと天守の「型」についてご紹介してきましたが、今回から 具体的に小田原城天守の特徴を見ていきたいと思います。しかしこれはあくまでも見方の ひとつであり、今後研究を推進していく上で見解が変わっていく可能性をご了承ください。

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第5回 宝永度再建の小田原城天守の史料について②

今回は『小田原城天守模型等調査研究報告書』などをもとに各史料についてご紹介するとお伝えしていましたが、現存史料の概要についてもう少し補足します。おおまかなアウトラインを把握戴くことで、今後の理解を深めて戴ければと思っています。

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第6回 模型と引図にみる軸部*構造の特徴①

第4、5回で、文献を除く天守に関する現存史料のアウトラインを見てきました。今回からは『報告書』を参照しつつ、著者の修士論文「宝永度小田原城天守の軸組架構方法の研究」の内容をかいつまんでご紹介していきたいと思います。

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第7回 模型と引図にみる軸部構造の特徴②

前回は『報告書』記載の「東博模型」の調査図面から、軸部の特徴、特に「通柱」の配置についてご紹介しました。今回は引図から同じように柱に着目してその特徴を見ていくとともに、「入側管柱」の構造的な役割を探っていきたいと思います。

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第8回 模型と引図にみる軸部構造の特徴③

第6、7回で「通柱」にみる軸部の特徴と「入側管柱」の構造的な役割をご紹介してきました。今回は、その柱と梁や指物*(さしもの)などの横架材による「木組み」の特徴を見ていきたいと思います。

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第9回 小田原城天守と現存天守との比較①

今回からは、小田原城天守の構造と「木組み」の特徴を検討するために、規模や大きさ又は建設年代の近い現存する天守との比較を行ってみたいと思います。注目して戴きたいのは、これまでにご紹介した①通し柱と②指物の使い方の相違、そして③土台の有無です。

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第10回 小田原城天守と現存天守との比較②

間遠くなってしまいましたが、今回は前回ご紹介しました松江城天守に使用された指物の中でも、非常に特徴的な例を取りあげたいと思います。まだ仮説に過ぎませんが、著者は小田原城天守にもそのような指物が使用された蓋然性は高いと考えています。

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第11回 小田原城天守と現存天守との比較③

今回は、宝永度小田原城天守(宝永3/1706年)と建造年代の近い、宇和島城天守(寛文5/1665年)をご紹介したいと思います。小田原城天守より規模はグッと小さいのですが、松江城天守と同じように①通し柱②指物の使い方の違い③土台の有無を見て戴きたいと思います。

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第12回 小田原城天守と現存天守との比較④

今回は天守ではありませんが、宇和島城天守と同じく宝永度小田原城天守(宝永3/1706年)と建造年代の近い、高松城二ノ丸月見櫓(延宝4/1676年)をご紹介したいと思います。前回と同じように①通し柱②指物の使い方の違い③土台の有無を見て戴きたいと思います。

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第13回 小田原城天守と現存天守との比較⑤

第9回から前回までにみてきました小田原城天守との類例天守等(松江城天守、宇和島城天守、高松城二ノ丸月見櫓)について、その特徴を纏めてみたいと思います。特に通し柱と指物の構成ついてはそれぞれの例で違う性格を持っていたかと思います。

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第14回 小田原城天守と現存天守との比較⑥-まとめ-

今回は類例天守等との比較のまとめとして、その構造的な特徴をおさらいしたいと思います。天守の型(望楼型・層塔型)を問わず、“階を積み重ねていく”という城郭建築に独特の工夫がある中で、小田原城天守の特異性を改めて掴んで戴ければと思います。

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第15回 小田原城天守と現存天守との比較-番外編-

今回は小田原城天守との比較の番外編として、姫路城天守を取りあげたいと思います。小田原城天守の約100年前に建造されました。また現存天守でこのような長大な通し柱を使用した例は他にありません。指物とともにその構造的な特徴をご紹介したいと思います。

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第16回 「小田原城三重天守引図」の様相

第7,8回で「小田原城三重天守引図」(以下、引図。原図は1/20)という図面と「東博模型」の類似・相違点についてご紹介しました。次回以降、この二つの史料をもとに軸部の組み立て方の検討を行いたいと思いますが、まずは引図についてのおさらいを…。

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第17回 「東博模型」と「引図」からみた軸部の組み立て方について①

今回から数回に渡り、天守の軸部の組み立て方について推定した内容をご紹介します。あくまでもひとつの可能性に過ぎませんが、体系としての木造技術を捉えるにあたって、このような考察は非常に有意義だと考えています。なお、附櫓・続櫓については割愛しています。

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第18回 「東博模型」と「引図」からみた軸部の組み立て方について②

間遠くなってしまいましたが、前回に引き続き天守の組み立て方についてご紹介していきたいと思います。個人的には必ずしも腑に落ちる架構とは言えませんが、かなり用意周到に組んでいるなという印象で、特に今回の3階部分は非常に面白いなと思っています。

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第19回 「東博模型」と「引図」からみた軸部の組み立て方について③

今回も引き続き軸部の組み立て方についてご紹介しますが、本天守は層塔型ですので基本的に3階から上は同じ軸組の繰り返しになります。ご存知のように、西和夫博士の研究により最上階に「摩利支天空間」が発見されましたが、今回その部分については割愛します。

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第20回 架構からみた小田原城天守

前回まで数回に渡り、天守の組み立て方の考察をご紹介しました。今回はこれまでの総括と、今後の調査研究の課題が何なのかを見ていきたいと思います。なお今回をもちまして、とりあえず本コラムの第一部を終了したいと思います。

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